エアレースの機体は2種類のみ!エンジンは水平対向!ちょっとマニアックにエアレースを解説!

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 レッドブル・エアレース(マスタークラス)で使用される機体は2種類。アメリカのジヴコ社製『エッジ540』と、同じくアメリカのMXエアクラフト社製『MXS-R』だ。
マスタークラスのパイロットが選ぶ機体はエッジ540の方が多く、MXS-Rは少数派となる。 
 実はレッドブル・エアレース、機体についてのテクニカル・レギュレーションとしては安全規定以外は緩やかで、大ざっぱにいうとレシプロエンジン単発のプロペラ機で固定脚ならばよいことになっている。F1グランプリのマシンが、車体幅やウィングの高さなど細かく規定されているのとはかなり違っている。
 したがってレッドブル・エアレースでは機体の自由度は大きいはずなのだが、レースのコース設定から、おのずと最適な機体の大きさや形態は絞られて、エッジ540やMXS-Rといったアクロバット用スポーツ機が選ばれているわけだ。
 しかもレッドブル・エアレースでは、エンジンとプロペラは決められたものを使うよう規則で定められている。エンジンはアメリカのライカミング社製AEIO-540-EXP(サンダーボルト)空冷水平対向6気筒で、排気量は8.9ℓ。最大回転数はマスタークラスで2950rpm(チャレンジャークラスは2700rpm)に制限されていて、出力は公表されていないが300hp以上とみられる。
 ライカミング社はセスナなどの自家用機・軽飛行機用エンジンの老舗で、昔から水平対向の小型エンジンを作ってきた。AEIO-540というエンジンは、ライカミング社の各種エンジンの中でもパワフルなシリーズで、とくにEXP(サンダーボルト)はスポーツ機用として、1基ずつ熟練技術者によって手作りされている。レッドブル・エアレース用にはさらにエンジンごとに出力に差が生じないように念入りにチューンされている。
 
 これらレース機は、単純な絶対的スピードではもちろんジェット戦闘機にはかなわない。なにしろレースでは最高時速370kmという制限もある。どれだけ速いスピードを出すかではなくて、バンク、切り返し、急旋回、急上昇と急降下、正確なゲート通過から成るタイトで難しいコースをどれだけ短いタイムで飛びきるか。これには運動性と加速力で今日の世界最高水準にあるといわれる戦闘機、ロシアのスホーイSu-35やアメリカのF-22Aラプターですら、エアレース機には及ばない。 レッドブル・エアレースは、そんなある種究極の飛行機が持つ操縦性と運動性といったマシン性能と、抵抗軽減や操縦応答性の改良といった技術が融合し、それを操るパイロットが技と経験、勇気をもって競う場である。こんなレースが面白くないわけがないじゃないか!

機体に関しては、レギュレーションが緩いってのには驚き!! 
でも、種類は2種類で、あとはパイロット好みに改造なんですね。
 知れば知るほど、より面白くなるエアレース!
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