戦争の歴史に最も影響した武器、「AK47 カラシニコフ」と「M16」。開発者は共に「祖国を守りたいだけ」だった。

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世界に大きな影響を与えた2つの銃

名銃、ソ連のミハエル・カラシニコフが生み出した「AK47」とアメリカのユージン・ストーナーが生み出した「M16」。この二つの銃は近代の歴史をも左右するほどの影響を世界に与えたのである。

ベトナム戦争・チリ内戦・アフガン戦争・共産ゲリラ紛争・あらゆる革命闘争・米国のイラク侵攻・アフリカ内戦・ビンラディン・パリ同時テロ……。

AK47は組み立て・手入れが簡単、泥・砂・水にも強いシベリアの熊の様な頑強で、乱暴に扱われても壊れない自動小銃で、安価に大量生産が可能。


M16は航空宇宙業界出身のスト―ナーが、プラスチックとアルミ合金とカーボンファイバーで設計したわずか3.12キロの高性能だが、繊細な貴婦人の様な自動小銃でしかも高額である。


ご存じの様に漫画家のさいとう・たかをが『ゴルゴ13』に持たせた銃が「画になるカッコイイ銃」M16である。

2つの銃の対決の歴史
この二つの武器が本格的に対決したのはアメリカが初めて負けた戦争「ベトナム戦争」だった。

 AK47はソ連から技術供与を受けた中国が大量生産し、共産圏側のホー・チ・ミン率いる北ベトナム軍に大量に投入された。泥と湿気に満ちた熱帯のジャングルでベトコン(南ベトナム民族解放戦線)がどんなに酷使してもビクともしなかった。

一方、M16を持ちこんだアメリカ軍の前線兵士達は手入れを少し怠っただけで使用が出来なくなるこの武器に手を焼いていた。

また、信じられない事に軍と兵器産業の利権がらみで間違った銃弾が大量に支給されていた時もあったと言う。銃がほとんど役に立たない戦闘でベトコンの持つAK47はまるで蟻を潰すかのようにアメリカ兵に打撃を与えた。兵士達はM16の弱点を本国に手紙で送り、それは米国議会でも問題にされた。この武器の違いがアメリカがベトナムで敗北した理由の一つにあげる専門家もいる程だ。

さらに、あのアレキサンダー大王も制覇できなかったと言うアフガニスタンでの紛争に、ソビエト連邦は10年間もの間手を焼いた末、1991年12月ソ連は崩壊した。ソ連崩壊に導いた泥沼アフガン紛争の敗因は、アメリカCIAがアフガン抵抗勢力側に与えた大量の安くてタフなAK47であったというから皮肉なモノである。

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